女装仙人おじさんとハワイの海でも性根は正せなかった話

最寄り駅で頻繁に女装おじさんに会う。

学生の頃は池袋が都内の行動範囲だったんだけど、そこでもよく見た。絶対数が多いから必然に確率が上がるから池袋とか新宿渋谷(原宿)で見るのはわかるんだよ。でもここ(自宅最寄り駅)でも見るんだーって。ご趣味なだけで危険人物じゃないんだろうけど、不審ではあるし失礼だからあんまりお顔を確認できていない。が、さすがに同一人物じゃないと思う…。

 

今まで見てきた女装おじさんには共通することがいくつかある。

さっき顔見てないって言ったけど、何回遭遇しても衝撃の勢いで全体をバッと見るじゃん。そのときに脳に刷り込まれた情報が「おじさん」「女装」に、加えて「仙人」。それがひとつ目。

ただの女装おじさんだったら、この浅い人生でも背景に何か想像することはできたかもしれないけど、そこに仙人要素が加わると一気に世捨て人感が出てなかなか趣深い。中間管理職、子供は既に自立していて家にいても電球を替えろだの排水溝の掃除しろだのと言われるような生活とは既に離れたところにいるのではないんだろうか…。(完全に偏見だけど、こういうタイプのおじさんは親友のひとりに犬がいる)

で、二つ目に、この女装仙人おじさんを目撃するのは街中であるということ。普段人間の足元見ながら歩いていると、その人の足元に違和感を感じて見上げると、えっ、なぜここに。って感じ。今でこそその辺で見かけることに慣れているけど、いやいやいや、いないでしょ、ここにって。

ただの女装おじさん(?)は特殊なお店で爆誕することは納得できるんだけど、この二つの要素が加わることでかなり謎の存在になる。おじさんによってはランドセル背負ってたりタワシ散歩させてたりするし。何か混ざっているかも。

 

別に誰に見せびらかせるような感じもせず、通行人として街に紛れ込んでいる。大衆の中で特別であることに快感を覚えているの?普段は普通の高校生、しかしその実は死神だったみたいな…黒崎○護的な?夜○月的な?もしそういう少年誌的設定への憧れからのものだとしたら、謎の人物に一気に親近感が沸く。おじさんと言えど、いつまでも男の子だもんね。無理やり帰結。

 

 

10月末にハワイに行きました。目的は別にあったんだけど、ついでに子供の頃から「イルカと一緒に泳いでみたい」っていうメルヘンな夢を叶えに、野生イルカと泳ぐツアーに参加してきました。えへへ

楽しみがプレッシャーに変わるくらい長く待ち望んでいた、イルカ当日、朝6時集合。早っ。バスの中でコンダクターがいろいろ説明してくれているんだけど、この日本人コンダクター、とにかく話下手。最早笑いをとろうとしているのかという意思すら感じられない中途半端はセルフ突っ込みで、笑い所が分からずこちらが謎に気を遣う(しかも空振り)。これはこっちの勝手な事情なんだけど、ただでさえ眠さと楽しみさとイルカに会えなかったらどうしよう…ていう心配で混乱しているので、まじで話が何も入ってこない。この時点ではテンション下がり気味。というか楽しめなかったらどうしようっていうプレッシャーに押しつぶされる。

バスから降りてすぐ船に乗って、沖のほうまで出ました。滞在中だいぶ風が強くて寒い日もあったんだけど、この日は運よく快晴で海も時化てない。生まれて初めて沖に出たのもあって、一瞬で人格変わるほどテンション上がる。無意味に海面を動画で撮影、配られたいかにもな花とか頭につけちゃったりおおはしゃぎ(※まだイルカのイの字も見えていない)。

で、エホマイという、「天よ知恵を授けたまえ」という祈りと、全ての物をあるべき形に戻すという意味が込められている歌(いかにもハワイ的で良い)を歌わされて、あとは適当に船のふちに腰かけて、沖を行ったりきたりしてイルカを探します。予断ですが、近くにいた日本人夫婦の女性が栄養状態の良い美人だったんだけど、ウェットスーツを着るときに足が入らなくて現地クルーにサイズ交換してもらっている際、「OK!ハワイの女と同じサイズネ!」って言ってて和んだ。

探し始めて割とすぐにイルカ見つかって、いよいよ入水。海水思ったより冷たくないなとか考えてからキュキュ~って声が聞こえてきて、思わずおお~!って言っていた。(実際は水中だしシュノーケル着けているから、モ”モ”~!!て感じ)で、前方を見たらいた!!!イルカ!!!近!!!!と、次の瞬間ハプニング発生。シュノーケルの間からめちゃくそに海水が入って一人で溺れてしまった。でもイルカがそこにいる!!水中に生きる哺乳類がいる!!て執念で目を開けてがっつりみてやった。かわゆ~^^てなってたらまたハプリング。す、すげ~~~バタ足してるやつおるやん…。実は潜る前に、「イルカは夜行性で昼間寝ているため、バタ足などで大きな音をたてると驚いて逃げてしまいます」と厳重に注意されていたわけなんですよ。それが思いっくそバタ足してるクソバカがいる。こっちもね、決して安いくないツアー料金払っているわけだし、そいつの近くにいってド突いてやろうと思ったんだけど、船上のクルーたち(屈強な現地男性)に激しく怒られていたのでやめた。

で、一回目終わり。

二回目は水入らないようにシュノーケリングを念入りに調節してはいりました。けど入りました。鼻低いから。ほっとけ! 二回目のほうが近くで見られたかな。昼間は海底でお昼寝しているんだけど、たまに息しに海面に上がってきてくれて、そのとき結構近くで見られた。(ライフジャケット着てるから深くまで潜れないんだよね。)子供イルカもいて、可愛かった~。集団で行動するので一気にたくさん見られます。船にまたあがってからも海面でくるくる回っているイルカちゃんいて、よかった。

ちなみにハワイで見られる野生イルカはハシナガイルカ。

 

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あとは岩場のほうまで移動して、海がめみたり魚に餌あげたりしました。ここの魚は野生でありながら自動的かつ頻繁に餌もらえて、生まれ変わったらこの魚になりたいって思ったとき一瞬思考が現実に戻ったな。手から直接つんつんされて、魚は完全に食う対象として見ていてるけど、かわいかったです。

海がめもすごく近くで見られて大きくてゆったりしていて、真っ青な海の中にいるのに目が真っ黒にきらきらしていて綺麗だった。先生感があった。で、これ多分客観的に私めっちゃフィンがうまいんですよ、いや本当に。うん。それで海がめの近くに行ってツーショット撮れちゃったもんね。手を伸ばせば触れそうだった。ちなみに触るのはハワイ州法違反になって高額な罰金が科せられるそうです。サーファーがSNSに背中に乗った自身の写真あげて132万の罰金課せられたこともあったそう。現地でシータートルは幸福の象徴で、手厚く保護されてるんですね。

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その岩場で結構自由に遊ばせてくれてスタンダップパドルとかさせてもらえたりしたんだけど、ちょこっとそれで遊んだ後はずっと海面に浮かんで海底を眺めてた。こんな深い海に入ったことがないからそれだけでとてもたのしかったです。姿は見えないけど、たまに遠くからイルカの声が聞こえてきたりして、よくある言い方だけど少しでも自然にかえれたんじゃないでしょうか。ハワイに影響されて浅黒い肌とロングの黒髪が特徴的なハワイ思想にハマッた女の気持ちが分かりました。

 

結果としては大満足でした。帰りの船の上で頂いた、なんてことないハンバーガーなんかもおいしく感じてしまうくらい晴れやかな気分になれた。

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ただ、最初バタ足した男とやたらとでかい声でクルーとおしゃべりして乗船者全員の注目を集めようとしていた女だけは一生ネタにしてやるからな。

 

 

おわり

 

おまけ↓漂流する私

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